今日、私が主催している第7回『お母さんと子どもの命を守る』勉強会が行われました。
この勉強会は、主に途上国の母子の健康と幸福に対する意識を向上させることを目的としており、昨年から国連人口基金東京事務所と共に取り組んでいます。
今日はまずはじめに、国連人口基金東京事務局所長の池上清子氏より、国際緊急支援用の被災者支援キットの話をして頂きました。現在の支援キットには生理用品が含まれているなど、女性のケアに重点を置いています。また各国の実情にも配慮しており、例えばイスラム地域の支援キットには女性用の頭巾が含まれているとのことでした。
次に、日本赤十字九州国際看護大学学長の喜多悦子氏より、世界の妊産婦の現実についての話をして頂きました。細菌学、手術法、そして血液学の進歩により一般的に妊産婦の死亡率は以前より大幅に減少しましたが、減少のスピードは決して世界的に平等なものではありません。途上国では紛争などにより女性へのケアは後回しにされ、今もなお高い妊産婦死亡率に悩まされています。以前は子どもの健康が国の文化を反映していると言われ、国の幸福を測るのに乳児の死亡率が用いられました。しかし、乳児の死亡率はワクチンがあればいくらでも改善できます。国の文化を真に反映するのは、医学的介入だけでなく、社会的介入がないと改善されない妊産婦の死亡率である、と喜多氏はおっしゃっていました。
また、東北大震災の被災地でも、被災者の優先順位のあり方が問題となっており、現在は妊産婦は優先されていません。被災地の優先順位を改善していかなければならないと医療法人社団永生会理事長の安藤高朗氏は話をされていました。