平成23年6月14日 内閣委員会

○牧山ひろえ君 民主党参議院議員の牧山ひろえです。
 質問に先立ちまして、先週末、南三陸町に行って瓦れきの撤去をしてまいりました。その中で分かったことですが、ちょうど三か月たった今、実際にたどり着いてから作業内容が振り分けられるまで三、四時間ほど時間がたちました。これでも最初と比べるとはるかに改善したらしいです。作業を計画し、振り分ける人が明らかに足りないということが分かりました。もちろん、今現地でボランティアをコーディネートしている人は不眠不休で本当に大変な苦労をされております。だからこそ、作業のコーディネートや現地のニーズをボランティアに伝える人材を一人でも多く送るべきだと思います。
 実際に行けば分かることですが、まだまだたくさん作業はあります。そんな中で、ボランティア人材をフルに生かさない手はないと思います。例えば、涼しい午前中のうちに瓦れきの撤去などの重い仕事を与えて、午後は遺品捜し、子供や高齢者のケアなどに切り替えるなど、綿密な計画を事前に立てておくことが早期復興につながるかと思います。
 だからこそ、コーディネーターに対する支援を手厚くしていただきたく、後ほど提案書を提出したいと思います。
 それでは、早速質問に入ります。時間が限られておりますので、答弁はなるべく簡素にお願いいたします。
 今回の改正案が成立しますと、来年の四月から認定事務が地方に移管されるということで、初めて事務を行う地方団体の方からはいろいろな懸念事項を聞いております。
 まず初めに、この新認定制度に基づく地方の事務は自治事務とされていますが、地方において効果的、効率的な事務が行われるよう十分な裁量権は付与されているのでしょうか。
○衆議院議員(岸本周平君) ただいまの御質問につきましてお答え申し上げます。
 認定手続におきましては、これはまさに自治事務でございますので、この法律の趣旨の範囲内であれば相当な自由なお決めをしていただくことが可能であります。一方で、認定をいたします基準でございますけれども、この基準につきましては、何しろ国税を減税するということでございますので、例えば認定基準を厳しくする、よりNPOに対して不利にしていただくというようなことは、これは当然できません。
 ただ、最も今回の改正の目玉でありますパブリックサポートテスト、これを実は各地方団体の条例で個別に指定するところまで私ども踏み込んでおりますので、この点におきましては地方税法上の決めでありますので、各地方団体の裁量が十二分に発揮されるものと理解しております。
○牧山ひろえ君 といいますのも、今回の東日本大震災を受けて、日本中が被災地のために何か役立つことができないかと募金を始め様々な支援を行っています。そのような中で、今回の改正によってNPO法人、認定NPO法人が増大した場合に、特に震災にかかわるボランティア精神が高まっていることをいいことに制度を悪用する法人も増大する可能性があります。そのときに所轄庁としての責務がきちんと果たせる制度設計にしてほしいということです。
 例えば、この認定NPO制度を悪用して、皆さんの善意を利用して一もうけしようという者が現れる可能性があります。認定というお墨付きがあるわけですから、みんな安心してそういう悪いことをする認定NPOに寄附をしてしまうかもしれません。そういったことにならないように、初めからその事態を予測した規定を整備しておく必要があろうかと思います。具体的には、現在も例えば主要な取引に関する書類は提出させる規定はありますが、取引先全てについて提出する必要はありません。この辺りに関して今以上に情報開示を義務付けるべきだと思います。
 玄葉大臣、このような懸念についていかがでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 牧山委員がおっしゃったとおり、認定法人とかあるいは仮認定法人、これ寄附金控除等の優遇が受けれるわけですから、しっかりとした監視、そして所轄庁の監督、そういったものがなされる必要があるというふうに思っています。
 これは議員立法ということでございますけれども、そのためにかなり透明性の高い情報開示の義務などを定めているというふうに私自身は承知をしているところでございますし、同時に、所轄庁によるきめ細かな監督のための権限なども盛り込まれているというふうに考えております。
 私の姿勢としては、法所管の立場でございますから、情報開示の徹底、そして地方団体の支援等の役割を果たしてまいりたいというふうに考えておりますし、最後に御提案のあったような話は、法律に附則において施行三年後の検討と、こういう規定がございますから、今後の状況を見ながら、そういったこともしっかりと情報開示の在り方として必要に応じて適切な検討を加えていくというのがよいのかなというふうに考えております。
○牧山ひろえ君 そして、いわゆる監督規定が今回の改正案に盛り込まれておりますが、先ほど申し上げたようなことを防ぐために、制度の濫用防止、適正な運営を確保するため、都道府県知事などに必要十分な監督権限は付与されているのでしょうか。
○衆議院議員(岸本周平君) 牧山先生の問題意識は私どもも十分共有しておりまして、具体的に申し上げますと、所轄庁による監督権限としては公益法人と同様の規定を設けております。報告及び検査、改善勧告、改善命令、認定取消しなどの規定を設けております。また、その他の事業から生じた利益が特定非営利活動に係る事業に確実に充てられるよう担保する規定も設けております。
 それからあと、二つ以上の事務所を持つ比較的大きな規模のNPOの活動につきましては、主たる事務所のある都道府県知事、それと従たる事務所のある都道府県知事の間でいろんな意見を言い合う、あるいは情報をシェアするというような規定も設けておりますので、その意味では十分な監督が可能だと考えております。
○牧山ひろえ君 今回の改正案に当たって、地方団体から、法人税など法人の申告書類などを所轄庁が閲覧可能になるような規定を盛り込むことを強く要望していたと聞きます。しかし、そうした規定を盛り込まなかった理由はなぜでしょうか。制度を悪用する法人が出てくるのを防ぐため、所轄庁と国税庁との連携は十分に図られるのでしょうか。
○衆議院議員(岸本周平君) その点につきましても、牧山先生の御指摘、私どもも深く重く受け止めさせていただいております。
 その中で、新たに規定を整備いたしまして、重加算税の賦課処分を受けた場合、それから滞納処分を行っている、こういうことがNPO法人にございました場合にはこれを欠格事由とすることにしております。そして、欠格事由に自動的になりますので、こういう事実が起きた場合、従来であればこういう事実は税務署から都道府県知事には連絡行きませんけれども、確実にこのような情報共有が図られるように、所轄庁の都道府県知事あるいは政令指定都市の市長さんと国税庁の間で双方向で情報共有ができるような規定を設けております。
 それから、地方の公共団体の皆様からすれば、やはりそういう税務上の書類を見たいと、そのことで監督したいというお気持ちはよく分かるんでありますけれども、地方税と国税の間ではそのような連携をしております。地方税と国税ではできていますけれども、これは市民活動を応援する法律でございますので、市民活動を応援する法律の中で、いわゆる納税の情報というのは、これは私どもにとりましても、市民にとってとても重要な、余り人には見せたくない情報でありますから、この点については一足飛びに閲覧ということは今回は待っていただきたいというふうに考えました。
 ただ、実は七十三条というのがございまして、官公庁間で協力し合うという規定もございます。それから、私も税務署長をやっておりました経験からいたしますと、現場で県の地方税事務所、それから税務署は非常に緊密に連絡を取らせておりまして、社会正義の実現という意味では全く同じ方向を向いておりますので、御懸念はなかろうかと思います。
 さらに、附則の十九条で見直しの規定を置いておりますので、仮に三年間やらせていただいて、国税庁との連携の在り方につきましてなかなかうまくいかなかったというようなことが仮にありますれば、その見直し規定の中で適切に対応してまいりたいと考えております。
○牧山ひろえ君 また、地方に移管されるとそれぞれの都道府県ごとの所管となります。例えば、ある人がある県で何か悪いことをしていなくなってしまい、次にまたほかの県で悪いことをするような場合も出てくるかもしれません。そういった場合、県同士で情報交換するなど連携する必要があるかと思います。
 また、先生もおっしゃっていた第七十三条には、「所轄庁は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。」との規定が盛り込まれておりますが、この規定によってどのような連携協力が図られることができますでしょうか。
○衆議院議員(岸本周平君) 七十三条の規定は、まさに官公庁、公共団体その他の関係者に対していろんな事実関係を照会することができましたり、協力を求めることができる規定になっております。このことによりまして、例えば条例によりましてパブリックサポートテストを免除する、あるいは新しいものを個別指定するというようなときにいろんな情報交換ができると考えております。
 何より、NPOをこの新しい認定制度で育てていこうという立場、これは都道府県も当然お持ちだと思います。しかし、おっしゃるように、悪用されるようなところが出てくることによって逆にNPOの発展が阻害されるということもあります。これは役所もやるべきでありますけれども、本当はアメリカのようにNPOの悪いやつを摘発するNPOをつくると。NPOの、これ本当にございます、NPOの側で自ら律していっていただくということも重要かと考えております。
○牧山ひろえ君 最後に、仮認定制度についてお伺いしたいと思います。
 仮認定制度は、設立されて間もない法人に対するスタートアップ支援として特例的に設けられた措置だと思います。しかし、改正法案の経過措置では、対象となる法人が設立五年未満のNPO法人から全てのNPO法人へと拡大しています。三年間に限ってのものとなっておりますが、余りに認定の幅を広げ過ぎなのではないかとも思いますが、今回どのような考えで拡大されたのでしょうか。
○衆議院議員(岸本周平君) まさに、これまでNPO、認定されたところは二百十五しかございません。全体で四万二千を超えるNPO法人の中で、税金がまかるというのは二百十五、これはあくまでも、収入の中で寄附金収入が五分の一以上なければならないという非常に厳しい高い壁があったわけであります。それを今回、三千円以上の寄附を一年間、百人以上から集めることでもう認定されますよということにいたしました。いたしましたが、三千円、百人を生まれたてのNPOが集めるのはこれまた大変でございますので、少なくともスタートアップを支援すると。ベンチャー企業を支援するような気持ちで、五年間はまず仮認定、仮免許を差し上げますから、三年間で三千円、百人を集めてくださいという趣旨で設けたところであります。
 なお、実はNPO法ができましてから十二年たっております。そういたしますと、六年生、七年生、八年生以上のパイオニアとして頑張ってこられたNPOの皆さんは、残念ながらこの仮認定が受けられないということであります。本当に厳しい状況の中で頑張ってこられたこれらの先輩の皆さんにも、三年間だけですけれども、この仮認定を利用していただいたらどうだろうか。
 その心は、百人の方に四万二千のNPOが全員声を掛けますと、それだけで四百万人であります。二百人に声を掛ければ八百万人の方にこの税制なりが伝わっていく。社会運動として大きなうねりができてくるのではないだろうか、その意味で四万二千のNPO全員にチャンスをお与えしたいという趣旨でございます。御理解をいただきたいと存じます。
○牧山ひろえ君 時間となりましたので、終わります。