参院本会議で3月20日夜、2014年度政府予算3案(2014年度一般会計予算、2014年度特別会計予算、2014年度政府関係機関予算)の採決が行われ、民主党などが反対するなか与党の賛成多数で可決した。
採決に先立ち、政府予算3案に反対の立場から討論を行った牧山ひろえ議員は、「本予算と、本予算を作成した安倍内閣の政治姿勢に反対する主な理由」として、下記の問題点を列挙した。
(1)NHK、日銀、日本郵政など、政権からの中立性や独立性が求められるはずのポストに、個人的関係や思想の共通性を重視した強引な「政治任用」人事を行っている安倍流人事の問題
(2)集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈の変更、閣議の議事録作成・公開の問題、特定秘密保護法をめぐる第三者機関の設置、エネルギー基本計画、TPPなどの重要政策について、極力国会での審議を避け、閣議決定等により進めようとする国会軽視の姿勢や懇談会や審議会を悪用して国会での実のある議論を妨害している国会軽視の政治姿勢
(3)TPPや特定秘密保護法など、直近の選挙時では主要な争点にしなかった政策を、次々に持ち出す安倍政権の公約違反の問題
(4)今回の予算は家計よりも企業を、中小企業よりも大企業を優遇し、大企業中心の減税や公共事業のバラマキによる大盤振る舞いをする一方、社会保障の充実など国民生活への配慮は不十分で、消費税増収分は社会保障以外には使わない約束だったはずが増収分の約4・3兆円のうち社会保障充当に充てるのは2200億円に過ぎず、被災者でさえ引き続き復興特別所得税を負担するなか黒字の法人だけ復興特別法人税の前倒し廃止を決定した問題点
(5)本予算において高校無償化に所得制限を加えただけでなく、育英事業費を130億円も減額するなど、教育の面でも教育の機会均等を後退させる予算である点(6)かつての自民党政権に完全に先祖返りし、国土強靭化の名の下に公共事業が偏重されたバラマキ予算である点――などに言及した。
こうした問題点に懸念を示したうえで牧山議員は「今回の予算案とその審議姿勢は、国会での熟議を避け国民生活に重大なダメージを与える『国会パッシング・国民バッシング』としか言いようのないもの」だと批判し、政府予算3案に反対を表明した。